舞台「死神遣いの事件帖-鎮魂侠曲-」大千秋楽

2020-08-22

全31公演、無事完走おめでとうございます。

大千秋楽を配信にて視聴。

今回は舞台に足を運べなかったので初日の配信と2回の観劇です。

 

初日と大千秋楽・・・・

いやぁ、同じ舞台でこんなに違うのかと心が震えてしまいました。

大千秋楽の幕間映像で「毎回同じリズムで同じ演技をやり遂げるのも、回を重ねるごとに変わるのもどちらも演劇の素晴らしいところ(意訳)」と谷口さんがおっしゃっていましたが、つばささんの関わる舞台は概ね後者の方ですよね。

今回はそれを実感させていただきました。有難いことです。


■背負う漢、崎山つばさ

まずは我が推し様・崎山つばささんの鬼八もとい新之助! 初日ですでに声色や表情、演技の素晴らしさについても書いていますが、更に迫力増し増し!漢気増し増し!

「自分が背負っている」というのが座長であるつばささんの中身の状況とリンクしていたようにも思います。この禍の中で全公演をやり遂げるのは本当に大変な事なんですよね。それこそ私なぞが想像できる範囲を超えて・・・大袈裟ではなく「命」と隣合わせ。

でもやり遂げた意義はとても大きくて、そう思えるのも「DISTANCE」がどんな意図をもって企画されて、どのような結果を出したかに注目していたから感じられた観点なのかな。


■磨かれていくキャラ達

目を見張ったのが百目鬼さん!!!! 恐らく回を重ねるごとにキャラを確立させていったんでしょう。人外っぷりもさることながら、小首をかしげたりする節々の仕草がどこかお茶目で憎めない感じに出来上がっていました。

もう一人の主役、十蘭。最初から中の人が持っている魅力が十分に生かされていました。ダンスシーンは「安井さん」を意識した演出になっていましたし。さらにこの大千秋楽では安井さんが「十蘭」を演じている事自体を楽しんでいるのが伝わってきて、本当に良い感じでした。もう十蘭は「安井さん」の当たり役といっても良いんじゃないかな。しっかり彼のものになっている印象です。

天元さんの「よきよき」って最初からあったのかしら???(記憶よさようなら)これもキャラの味付けとして効果的になっていたように思います。

マリーさんのヴァニ様。「イエスマイロード」というセリフが様々な場面で発せられるんだけど、そのニュアンス・呼吸の使い分けが大千秋楽では本当に素晴らしかった。うん、まさにマヤのエチュード「4つのセリフ」を思い出しました(笑)

こんな感じの少しの違いでもその事でストーリーの説得力が増し増しで、初演で「あれ?この物語の展開少し消化不良・・・私理解力ないのかしら?」と思っていたものが大千秋楽ですんなり理解できてとても観やすく面白く感じました。


■推敲・精査されていく演出

それぞれの役者さんの演技も進化していましたが、演出自体もより練り直されている部分もありましたね。

最初の方で義助が「保科が来た」事を新之助に伝えるセリフで笑いを誘う部分が、初演では少しくどかったのが簡素化されて逆に面白くなってたり、保科さんの傷メイクがむっちゃ大きくあごまで伸びてたり。

あまり細かい変化に気づく方ではない私でもわかる部分が見受けられました。


■カメラワークも技あり一本

今回、配信で視聴ということで特筆すべきはカメラワーク。ぐぐぐ~~~~~っと良くなっていましたね(私的に)

下から煽るようなカメラで新之助の表情をアップにするなんて、もう、もう、昇天もののかっこ良さ(笑)ありがとうございます。ごちそう様です。

表情をアップに魅せるべきところは、アップで。引きで全体をみせるところは引きで。生の観劇では無意識に自分で視線を変えているところを押さえてくださってる。しかも表情のアップは客席からは味わえないですからね。

十蘭が仏になってしまった旗本に頭を下げる(祈る?)ところを新之助が観ていた場面。今配信ではその新之助の表情がアップになってました。このシーンが後々の展開に大事なポイントとなります。

生の観劇ならそのポイントも新之助の立ち位置と仕草だけで受け取れるのでしょうが、配信ではアップにすることで伝わりやすくしたのかな。単に新之助の表情が良いので抜きたかっただけかもw(うん、うん)

更にカメラワークの技、というか腕の良さを感じたのが親分さんが新之助に「命預かってくれないか」というシーン。

新之助と親分さんと二人が片膝立てた状態で左右に対峙ししていて、これがきれいに「正面からの画」に納まってる。ズームもパーンもせずにこの構図のままだからこそ二人の「侠」のやりとりがしっかり伝わってきました。いやはや、このシーンの撮り方に痺れました。

ただ舞台の配信というだけでなく「映画」的な撮り方になってきているのかしら。


■役者と舞台の反射神経

そして・・・これはあまり文章に残さないほうがいいのでしょうか。クライマックスのハプニングについて。

天元と新之助の対決シーンで新之助の刀の刀身が束を残してぶっ飛んでしまったんです(折れた?)。殺陣の真っ最中の出来事。

しかし、二人共一切顔色を変えずにそのまま殺陣を続けます。一瞬、本当は刀身がちゃんとあるんじゃないかと思ってしまう見事な殺陣。でもあれ生腕で受けてたのもあるんじゃないかなぁo(T^T)o

その後、天元は階段に座ってからのセリフに混ぜていかにもバカにしたかのような感じで自分の一振りを新之助に向かって投げる。これは次の動きで新之助が大きく切りかかるための刀が必要だったから。

その間に横では次の新之助の立ち位置に(たぶんスタッフが)折れた刀身をセッティング、無事に所定の位置に倒れこんだ新之助はすかさずその用意された本来持つべき刀(束のない刀身だけど)を握ります。そして天元へセリフにのっけて(借りた?)刀を突き返します。

普通の場合だと、どっちがどっちの刀でも問題ないのですが、この舞台の場合はそれぞれの刀は死神が変化したもので、新之助の刀は十蘭の変化したもの、天元側もヴァニ様とメメントが変化した刀です。どの刀を握っているかがとっても重要な設定なのですよね。

この「投げる」「突き返す」が元からの演出だったかのように!瞬時に!組み立てられたなんて・・・。これが役者の反射神経か!!!!とちょっと怖くなりました。 (たぶん)上記のような思考をしつつあの迫真の演技を続けたんですよね。本当に凄い。


何度でも書きますが、今回のこの禍の中での公演。本当にお疲れさまでした。みなさんご無事で本当に良かった。ありがとうございました。

最後に公式さんのアンケートページを貼っておきます。続編の実現のため、公式さんに熱いラブレターを書かないとね。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScY-A_xLUvC3Z7yB2eOdpkLdcZlp00d4uLrqwrSaK_Z_FG6MA/viewform